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澤田健の診断術(前編)

 沢田健が実際どのような治療をしていたのか?今となっては想像するしかない。私はとりあえず、「沢田流聞書 鍼灸真髄」から色々を拾い上げて考察してみようと思う。以下の引用文献は全て「沢田流聞書 鍼灸真髄」である。

  第一回見学筆記 昭和二年六月十日より
助手 城一格氏が助手をなさっていた。先生が腹を診、腰を診、背を診、手を診、足を診られ、腹と腰は灸を自らすえられる。城氏は背と手足をすえて、その上会計をやり、人名簿を記帳される。実に多忙を極めていた。

 第三回見学筆記 昭和三年七月六日より十日に至るまで
 施灸の順序
 これも今度の見学中、特に注意を惹いた事である。前には座位にて背部よりはじめて次に腹を仰臥で診、伏臥せしめて腰部を診、次に座しめて手足を診るという風であったのが、今度は先づ仰臥せしめて腹を診、次に伏臥せしめて腰を診、次に座しめて背部を診、次に手足を診るのである。多くの経験を重ねるうちに、これが一番よい診方であるということに気づかれて、こう改められたものと見える。先生は絶えず進んでいられる。


 もっとも第四回見学筆記の網膜炎の治療では、旧来の背中からの施灸順序になっている。しかし、途中から、腹部から施灸が始まっている。

 灸点をおろす順序は、背部、腹部、腰部、手、足、という風であった。後にはこれを改めて、腹部、腰部、背部、手足という風に変わった。


 上記は冒頭に書いてある。これによると昭和三年頃より施灸の順序を変えたのであろうか?
 また、助手が城氏の時は、沢田は腹部と腰だけ自分で施灸して背中と手足は助手に任せていたようである。これは、沢田の治療の重点は腹と腰である事を示唆している。つまり腹と腰で治療の勝負はつけていたとも受け取れる。ブログ仲間だったツボ太郎先生も似た考察をしている。

 では、背中と腰の区分はどこであったであろうか?これは「灸点治療法」から見て取れる。


 灸をすえる時の注意

 施灸時の順序は、初めに仰臥の姿勢で腹部をすえ、次に伏臥して臀部、腰部及び背部の脾兪までをすえ、次いで背部、肩部、頚部、頭部をすえ、次に手、足をすえる。施灸の最初には必ず、中脘と左陽池を交互にすえる。この場合、左手を軽く下腹部の上に置く。すえ終えれば左手は体側におろす。
                                  「灸点治療法」より


 灸点治療法の著者の記述どおりなら、沢田は伏臥で脾兪までは、自分ですえていたことになる。これは先天の気を腎兪、後天の気を脾兪で補っていた沢田の考えに一致する。また左陽池は腹部に入れた方が正確だろう。


続く

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施灸の順序

沢田先生の治療は謎な部分も多いですよね。施灸の順序は、本当のところはどうだったのかよくわからないことも多いです。沢田先生の場合は、理論よりも直感に基づく治療だったのかもしれません。
僕は、お灸では腹と腰の治療が重要と考えていた時期がありました。脾腎や丹田を重視すると、腹や腰の治療を基本にするのかもしれません。そのあたりは僕も今後さらに勉強して考えていきたいです。

Re: 施灸の順序

ご無沙汰しておりました、<m(__)m>
沢田流は滅んでしまった治療術と言っても過言ではなく、今となっては、復元、発掘作業ですね。
沢田流初期の施灸順序は、古法な灸術を思わせます。

あくまで仮説であり、検証作業は出来ないかもしれませんが、沢田流は百パーセント澤田健のオリジナルではなく、何かしらの家伝灸のいくつかに触れていて、そこから編み出したのではないか?
沢田流温溜、沢田流げき門は、名家灸選に極めて似たものがあり、名家灸選を読んでいたとは思えませんが、家伝灸を知っていたのではないか?左陽池は禁灸穴ですが、中風の灸で陽池を使うものもあります。

朝鮮時代、家伝灸の使い手と一緒に旅をしていたのかもしれない。この辺は、もう謎ですね。今後も新たな資料は出てこないでしょう。

十四経発揮だけ読んで、左陽池、中かんの使い方を編み出したとは、ちょっと思えないのです。プラスアルファで何かあったのではないか?

東京出てから、城一角さんから古典を借りていたようです。朝鮮時代は、それこそ十四経発揮だけだったかもしれません。そこから、極めて実践型、直感に秀でた人間が澤田健だった、とも推測できます。

澤田健が名人になったキッカケ、どういう鍛錬で感覚を磨いたのか?そういうものを解き明かせば、名人育成プログラムも作れるかもしれない。何より自分の身体で試せますしね。

また、別の角度から、灸のフォームととある技術の類似性、五臓色体表の使い方など、考察の段階ですが、発表を考えております。

灸は背中とか、腹、腰じゃないでしょうか?体幹部の処理で万病に対応していたわけですし。そこから、灸の攻め方と鍼の攻め方の違いが見え隠れします。手足の本治法で脈を整え、標治法で体幹部を攻める経絡的治療、体幹部から、手足に引く灸の攻め方。どちらが古典派?というみずかけ論争は避けますが、無分流などを見ると、見えてくるものもあります。僕も何処まで迫れるか?わからないですが。

今後とも宜しくお願い致します。<m(__)m>

こちらこそよろしくお願いします

知足斎先生のブログは勉強になります。こちらこそよろしくお願いします。
沢田先生の治療に関しては、朝鮮時代の経験も基礎になっているのかもしれませんね。その朝鮮時代が謎なのでわからないことが多いです。ただいろいろな実験はしていたようです。左陽池、中かんの使い方については、天才の直感的要素もあったのかもしれません。

沢田先生は、柔術の達人だったようですし、心胆を練り腹力を養うために静坐を長い間続けて丹田の力を作ったそうです。この修業が治療感覚を磨いたのかもしれません。根気よく内経などの筆写を行っていたことも関係があるのかもしれません。いずれも並の人間には簡単にできることではありません。また柔術の急所と鍼灸のツボは通じるものもあったのかもしれません。

僕も以前はお灸は体幹部が中心と考えていました。鍼とお灸は治療法が違うと思うのですが、手足から先に治療してもよいと思いますし、体幹から先に治療してもよいと思います。これに関しては難しいです。

Re: こちらこそよろしくお願いします

朝鮮時代は謎ですね。そこには否定する資料も無ければ、肯定する資料も無いでしょう。

さて、澤田健を調べる上で、一番いけないのは、あの人は特別だから、で終わらせる事。やっぱり何かしら仮説と検証を加えれば、同レベルには達せ無くとも、かなりの使い手になれるはずです。ただ、カリスマと呼ばれる人は、あの人は特別だから、で弟子がそれ以上考えないことですね。どうしてああなったのか?考えないと、考える努力を怠れば、弟子として失格です。これは鍼灸各流派に言える事のようです。

さあ、やっぱり正座に秘密があるのかもしれませんね。柔術の活法に、気海を押えるというものがあります。ここは丹田ですよね。腰は、丹田の真後ろと古典では言われる命門ではなく、次りょうというところに、秘密があるかもしれません。

三焦経は中かんが始めですから、ここと原穴を同時に刺激したら?と考えたのかも?

さて、私は最近は経絡治療でして、これは手足の要穴を使って脈を整え、(本治法)背中などを刺激する(標治法)で、手足から入っております。

沢田流使うときは、腹を整えてからにしております。

鍼は陰主陽従、陰の経脈を調えてから、陽を刺す。

灸は古典の灸法なら陽だけでも処理できます。中風七穴、脚気八処の穴など陽経だけです。

足三里と三陰交、鍼なら、陰を補って陽、つまり三陰交から足三里。灸なら上から下ですから、足三里の次に三陰交となります。

しかしながら、刺激に慣らすために、灸でも足三里、上巨虚、下巨虚、から入るのも全然ありですね。本当は、もっと法則性を見出す努力をしなければならないのですが。

鍼灸は型があって、型が無い面もありますから、オーダーメードなんでしょうね。病体に対峙した時、最適の刺激を最適のタイミングでする。ここまでいったら名人芸なんですけどね。
プロフィール

やいと屋 知足斎

Author:やいと屋 知足斎
FC2ブログへようこそ!
幼少の時より喘息などに苦しみ、健康雑誌、東洋医学の世界に入り込む。中学時は三国志の影響で中国の古典に興味を持つ
大学は法学部に進むが鍼灸の夢、捨てきれず近くに鍼灸新設校ができたきっかけで、三十路目前に入学
曾祖母が家伝灸の使い手で、その影響で灸の研究、研鑽を積む毎日
趣味は民俗学研究 だが今は鍼灸に専念する為に封印
家伝灸研究も最近は趣味になりつつある
1年次より中医学の勉強会に通い、3年次は経絡治療も学ぶ。
長野式また撃鍼(打鍼)法
積聚(しゃくじゅ)治療の研究も進めている

平成二十二年三月鍼灸師合格 四月 鍼灸師登録
やいと屋として奮闘中

ナード・アロマテラピー協会認定
アロマ・アドバイザー

キネシオテーピングトレーナー

覚王山鍼灸研究所 研究員

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