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沢田流太けいの謎 経穴の鼓動

沢田流の基本穴は鍼灸師の教科書、東洋医学概論では次のようになっております。

 沢田流の太極療法の基本穴は、百会、身柱、肝兪、脾兪、腎兪、次りょう、沢田流京門(志室)中かん 曲池 左陽池 足の三里 沢田流太けい(照海)である。(東洋医学概論より)
 
 沢田流太けいは一般の経穴「照海」とする書は多いです。何と言っても沢田健の治療を見ていたであろう代田文誌がそう書いておりますから。

 太けい 大体の人に灸す。足の内踝の前下五分位の処。内踝の下部と舟状骨結節の下部とを連絡する線の中央部。一般書の照海に当たる。「沢田流聞書 鍼灸真髄」(代田文誌)より

 ところがどっこい「灸点治療法」では違うところを指しているのです。(最近の調査で灸点治療法の作者は堀越亀蔵と市石圭介とわかりました。戦前に書かれた本を再編集した物です。この調査報告は後日。)

 太けい左右 足の内踝の後下方1.5糎(センチ)「灸点治療法」(市石喜代治)より

 因みに照海は

 照海左右 足の内踝の下方1.5糎「灸点治療法」(市石喜代治)より

 灸点治療法の照海は一般の照海を取っています。さて、私の時代の経絡経穴の教科書では

 太けい 内踝の最も尖ったところの高さで内踝とアキレス腱の間陥凹部、動脈拍動部
 照海 内踝の直下1寸 (経絡経穴概論より)


 灸点治療法の太けいは、一般の太けいと照海の中央あたりとなります。

 なんで疑問に思ったの?というと、澤田健は原穴を動脈拍動部に取っていて、その拍動で診断したのです。一般の照海では拍動は触れないのです。

 さて、一般の手の陽明大腸経 原穴の「合谷」も拍動部とはいえない。そこで澤田健は手首よりの拍動部を「沢田流合谷」としたのです。(沢田流合谷についても書きたい事がありますので、後日)

 灸点治療法の太けいは拍動を触れます。実はここが「沢田流太けい」に相応しいのではないか?と思ったのです。

 私が持っている不思議な江戸古典「鍼灸極秘抄」は面白いことを書いています。


 大けい(このままだとタイケイではなくダイケイなのだが誤字なのだろうか?)足内くるぶしの下、大骨の下のくぼみ、動脈の中 「鍼灸極秘抄」より

 澤田健が産まれるはるか前の江戸の時代、鍼灸極秘抄の大けいの説明が、最も「沢田流太けい」の部位説明に相応しいのではないか?と思うのです。
 鍼灸極秘抄の大けいと灸点治療法の太けいが全く同じ場所とはいえませんが、かなり似たよった場所です。沢田流太けいが照海だろうが、ちょっと違おうが別にどっちでもいいんじゃない?という声が聞こえそうです。
 別に僕もどっちでも良かったりします。

 ただ、鍼灸極秘抄の部位であり灸点治療法の太けい、ここの拍動部を狙ってちょっと切皮、そして鍼を置鍼すると、動脈の拍動と共に鍼も動くのですね。こうすると腎の脈が出てくるのです。

 数人の臨床家がこのようなことをしているのを観ました。自分で試してもけっこう効果があるのですね。

 灸点治療法の太けいが「沢田流太けい」に相応しいのではないか?と思ったのです。同じ師匠を持つ、代田文誌と堀越亀蔵&市石圭介。師匠の取る大切な経穴、腎の原穴「沢田流太けい」が違うのは、後身にとってちょっと迷惑な話です。 

 いやいや、太けいが僕に語りかけてきたのでつい、このようなことを書いてしまいました。

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気になりましたので

お久しぶりです。
記事を読んでてちょっと気になったので、コメントさせていただきます。

>澤田健は原穴を動脈拍動部に取っていて
とありますが、これは三部九候診を意識していたんではないかと思います。

『素問』の「三部九候論」では、「下部の地は足少陰なり。」としており、王冰はこの部分を注釈して、「謂(い)わゆる腎脈なり。足の内果の後と跟骨の上の陥中に在り。太けいの分。動じて手に応(あた)る。」としています。

これは、表現が違うだけで現在の太渓穴の位置と一致します。

ところが『難経集註』一難において、十二正経の動脈拍動部について呂広は「足少陰は内果の下に動ず。」と注釈しています。
呂広は具体的な経穴名まで挙げてはいないのですが、この表現からすると照海穴である可能性は高いです。

>大けい(このままだとタイケイではなくダイケイなのだが誤字なのだろうか?)
ですが、「太」と「大」の字は意味・発音ががほぼ同じなので、資料によっては入れ替わっていることが多いですよ。

Re: お久しぶり!!

そうだ、新しい教科書では渓谷の渓の字を使っていましたね。
灸点治療法の太渓の位置が、一般書の太渓と違っていましたので、書いてみたものです。
ただ、灸点もイラストを観ると、一般書の太渓のように観えて難しい。

本来ならどうでもいいことなのかもしれませんね。

なるほど、古典では、「謂(い)わゆる腎脈なり。足の内果の後と跟骨の上の陥中に在り。太けいの分。動じて手に応(あた)る。」だと完全に太渓ですね。

呂広の「足少陰は内果の下に動ず。」だと照海か?もしくは鍼灸極秘抄の大けいかもしれません。

日本の鍼灸家も古典の表記に困ったのかもしれません。

太、と大、はほぼ同じと考えてよいのですね。もっとも経絡経穴の書き取りテストではダメでしょうが…

やっぱり古典は読まないとな、と考えさせられました。
プロフィール

やいと屋 知足斎

Author:やいと屋 知足斎
FC2ブログへようこそ!
幼少の時より喘息などに苦しみ、健康雑誌、東洋医学の世界に入り込む。中学時は三国志の影響で中国の古典に興味を持つ
大学は法学部に進むが鍼灸の夢、捨てきれず近くに鍼灸新設校ができたきっかけで、三十路目前に入学
曾祖母が家伝灸の使い手で、その影響で灸の研究、研鑽を積む毎日
趣味は民俗学研究 だが今は鍼灸に専念する為に封印
家伝灸研究も最近は趣味になりつつある
1年次より中医学の勉強会に通い、3年次は経絡治療も学ぶ。
長野式また撃鍼(打鍼)法
積聚(しゃくじゅ)治療の研究も進めている

平成二十二年三月鍼灸師合格 四月 鍼灸師登録
やいと屋として奮闘中

ナード・アロマテラピー協会認定
アロマ・アドバイザー

キネシオテーピングトレーナー

覚王山鍼灸研究所 研究員

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