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鍼灸重宝記に観る人体の生命観(腎 三焦 心包絡)2

さて三焦について、私は独自の研究を進めるわけではない。三焦については、中国、日本、韓国のそれこそ2千年前から、今生きていればノーベル賞も取れるであろう天才達が考え抜いて、
結局結論が出ないシロモノである。僕は愚人ですから。そこで今は「鍼灸重宝記」の臓腑観を採用している。



腎の胼は重さ一斤一両、背の第十四椎に附く、前後臍と平直なり、形石卵の如く色黒紫、両枚ありて胃下の両旁に当る、腎は本、水胼なり、分けて言うときは左は陰水とす右は陽火とす、王淑和が脉経には右腎を命門として火に属すといえり、是を水中の竜火に象る、人の生を受くるとき先ず二腎を生ず、是に於て左腎が肝木を生じ、肝木が心火を生じ、右腎の火が脾土を生じ脾土が肺金を生ず、故に五臓の根元なり、作強の官にして技巧を出す、父母の腎精より子を生ずるゆへ骨髄を主る、故に一身の力を出す。

心包絡は心を包むの膜なり、心下横膜の上堅膜の下にあり、、其形細き筋膜ありて絲のごとし、心肺と相連る。位、相火にして其所だん中に当る、臣使の官にして喜楽を出す、夫れ心は神を蔵して臓腑の主君なり、此を以て其蔵を裸に見はさず、別に細き筋膜ありて真心の蔵の外を包み絡ひ、心の衛となり君火を相るゆへに相火という、又手の厥陰君火に代って事を行ふ故に手の心主ともいふ。

三焦は(中略)脉訣に云く三焦は状なく空しく名ありと。正伝に曰く、其身脂膜あり腔子の内にありて五臓六腑の外を包む羅(あみ)なり。「解説 鍼灸重宝記」より



興味深いのは腎の特殊さである。腎は五臓六腑を産む根本であると。ここから次のような仮説を立てている。「腎の脈を出す、または腎の治療は間接的に他の五臓六腑にも良い影響を与える。」
そして三焦は五臓六腑を包むアミで三焦をいじるのは、五臓六腑全体に影響する。という仮説も立てている。

腎と三焦ここまで書くと、沢田流の名が見え隠れするのではないか?「五臓六腑の調和のため、腎の原穴である沢田流太けい、三焦の原穴である、左陽池、そして中かんを重視するなんて、古典も凄く研究していたんだ、凄いな澤田健、凄いな沢田流!!」と絶叫しているかもしれない。

もっとも鍼灸重宝記は八木下翁を通して岡部素道に経絡治療の原型を伝えているので経絡治療の基礎理論も見え隠れする。「経絡治療の腎虚って結構深くない?凄いな岡部素道、井上恵理、やるな経絡治療!!」とつぶやく人もいるだろう。「○○流って古典も深く研究していたんだ、凄いな○○先生!!やるな○○式!!」(○○に好きな言葉を入れてみてください)

鍼灸重宝記も古典からの引用が多く、それまでの通説をまとめたモノなのかもしれない。

さて日本鍼灸の「腎重視」はいつ頃生まれたのだろうか?沢田健が最初とも言えるかもしれない。。しかし腎重視の土台は鍼灸重宝記でも観る事ができる。そして鍼灸重宝記は、江戸時代の徳川吉宗の時代。(蛇足ながら尾張では、徳川継友の時代)この本のちょっと前に江戸時代の超ド級の大天才、岡本一抱がいる。その書「三蔵弁解」では「腎」「心」と「胃」を挙げている。人間の胎児の成長を考えれば、腎と心、外胚葉、内胚葉、中胚葉の関係と言えなくもない。

僕が古典に敬意を払うのは、古典での人間の身体をどのようにとらえるか?という姿勢は人間への限りない尊厳を感じさせるし、歴代の医家達の苦労の一端を感じる為である。やっぱり歴代の医家が大事に研究してきた想いを現代の僕らが受け継がなきゃいけないのかな?と思ってしまう。

三焦を知らなくても治療は出来る。だが知っていると、治療に深みが出来るのではないか?


鍼灸重宝記は前編は上記のような臓腑そして経絡など東洋医学の概論を伝えている。後編は治療編。僕も学生時代は、治療論ばかり追い求めていた。だが、実際に治療するにあたり、東洋医学の生体観が重要と考える様になった。もちろん、実践が伴ってこそ、東洋医学の生体観が生きてくる。せっかく鍼灸師として、東洋医学の一端を知るようになったのだから、東洋医学の素晴らしさを体感して行きたい。


わたくしの、独断と偏見に満ちた文章ですが、最後までお読み頂き、ありがとうございました。 


1月10日追記 センネットアイでアマゾン、楽天ブックスで買えない、鍼灸重宝記や鍼灸極秘抄、難経本義などOD版書籍が買えるようです。そちらのリンクもつけておきます。


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プロフィール

やいと屋 知足斎

Author:やいと屋 知足斎
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幼少の時より喘息などに苦しみ、健康雑誌、東洋医学の世界に入り込む。中学時は三国志の影響で中国の古典に興味を持つ
大学は法学部に進むが鍼灸の夢、捨てきれず近くに鍼灸新設校ができたきっかけで、三十路目前に入学
曾祖母が家伝灸の使い手で、その影響で灸の研究、研鑽を積む毎日
趣味は民俗学研究 だが今は鍼灸に専念する為に封印
家伝灸研究も最近は趣味になりつつある
1年次より中医学の勉強会に通い、3年次は経絡治療も学ぶ。
長野式また撃鍼(打鍼)法
積聚(しゃくじゅ)治療の研究も進めている

平成二十二年三月鍼灸師合格 四月 鍼灸師登録
やいと屋として奮闘中

ナード・アロマテラピー協会認定
アロマ・アドバイザー

キネシオテーピングトレーナー

覚王山鍼灸研究所 研究員

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