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撃鍼(打鍼)夢分流(無分)と鍼灸重宝記

ひょっとしたら腹部へ刺さない鍼(打鍼)で治療するのは、ちょっとしたブームになっているかもしれません。 御園夢分斎の夢分流打鍼、藤本蓮風氏の「鍼道秘訣集」の現代語訳でかなり有名になった感があります。僕の認識が正しければ、藤本氏の北辰会の打鍼が打鍼のすべてというわけではありません。
 ですが北辰会=夢分流の使い手というイメージはあります。でも僕は夢分流を北辰会以外から習いましたので、北辰会以外にも使い手はいます。

 御園意斎の打鍼法というのは、鍼灸の国家試験でも出るわけで、それなりに有名です。ですが使い手は少ない。一度は廃れてしまった技でもあります。

 僕が始めて夢分流を意識したのは、鍼灸学生1年生で鍼灸重宝記を手に入れて読んでからです。鍼灸重宝記の冒頭には管鍼とともに、打鍼もイラストつきで載っています。

 何より鍼灸重宝記の著者が御園夢分(本文は無分の末流)と名乗っているのです。


 当流伝受の奥義
抑 予が伝るところは本朝針家の祖、無分の末流なり、病の頭にあるも腹に刺し、病脚にあるも亦原に刺す。その刺すに次第あり、緒病まづ臍の下二寸、丹田の一穴を刺す。… 「解説 鍼灸重宝記」より


 鍼灸重宝記の著者がオレは無分の末裔だ、と名乗っているのですね。事実、ネットなどを調べると、重宝記の著者、本郷正豊は御園家の末裔とする説はあります。
はじめは丹田に刺す、がわかりませんでした。後に「鍼道秘訣集」を読んで「火曳きの鍼」だとわかりました。(因みに鍼道秘訣集は打鍼を撃鍼と書いています)

もっとも1年生の頃は、後に僕が無分流の教えを受けるとは夢にも思っていませんでしたがね。

 鍼灸重宝記は何回も書いているように、明治の名人、八木下翁が生涯大切にし、重宝記を以って万病にあたった。経絡治療の生き証人といわれるわけですが、後に岡部素道に治療の影響を与えます。
 もっとも、八木下翁の治療は脈を診て手足の要穴に鍼を刺す、というものですが、今の経絡治療とは趣を異にしたようです。「昭和鍼灸の歳月」や岡部素道の「鍼灸経絡治療」に少し記載があります。

 重宝記は、経絡治療の同胞、小野文恵によって解説が加えられ、多くの人の目に留まる事となります。一度は絶版になりましたが、現代買える訳ですから、また甦ったわけです。

 もっとも、鍼灸重宝記は今の経絡治療の難経六十九難の原則はほとんど採用しておらず、鍼灸重宝記から今のような経絡治療にするのは、至難の業といえるでしょう。現代の経絡治療は五行説を重視しますが、八木下翁は、五行説はあまり気にしていなかったようです。(と鍼灸経絡治療に書いてあります)

 ただ、治療原則には、重宝記と今の経絡治療にはかなり似た部分があります。

面白いのは、岡部素道の初期の高弟、馬場白光先生がその著書で、打鍼について述べていることです。ただ、馬場先生の打鍼はその著書からでは、腹部ではなく、背中の塊りに刺していたようです。


好むと好まざると、僕も鍼灸重宝記のお導きか?重宝記のような無分の打鍼も下手くそながら使えるようになりましたし、重宝記つながりの八木下翁、岡部素道の岡部派経絡治療の道に進んだ訳ですから、不思議なものです。


 鍼灸重宝記には、無分流の腹診の図は載っていません。ただ、腹診については詳しく書いてあります。(鍼灸重宝記の腹診の仕方は、首藤傳明「経絡治療のすすめ」に引用があります。)

丹田の一穴に刺す、というのも、杉山真伝流にも似た記載があり、御園流だけに伝わったともいえないかもしれません。もっとも、杉山和一は御園流もかなり研究したはずですので、影響を受けているのでしょう。杉山真伝流の内調術は、打鍼の代用であったとする有力説があります。


私も可能な限りは、治療は撃鍼の火曳きの鍼から入り、その後、脈を診るようにしております。下手くそでもそのうちに何かを得て、本物になるかもしれませんから。
丹田の一穴に刺す、は丹田に刺して、気を丹田に下ろす意味もあるでしょうが、丹田に先ず刺して、その手ごたえから、色々情報を得ようとした、とも考えられます。

さて、丹田の充実は沢田流太極療法でも観る事ができます。その行い方は左陽池と中かんを交互にお灸をすえるというものです。丹田のちょっと上の気海にもお灸を吸えますが、丹田には直接お灸はしていないと僕は考えています。
丹田を診断点としているわけで、無分は診断点でもあり、治療点としているようです。直説法が良いか?間接法が良いかは、どちらともいえません。


 それ以外にも無分流の火曳きの鍼には少し気になるところがありますが、それは又の機会に。
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プロフィール

やいと屋 知足斎

Author:やいと屋 知足斎
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幼少の時より喘息などに苦しみ、健康雑誌、東洋医学の世界に入り込む。中学時は三国志の影響で中国の古典に興味を持つ
大学は法学部に進むが鍼灸の夢、捨てきれず近くに鍼灸新設校ができたきっかけで、三十路目前に入学
曾祖母が家伝灸の使い手で、その影響で灸の研究、研鑽を積む毎日
趣味は民俗学研究 だが今は鍼灸に専念する為に封印
家伝灸研究も最近は趣味になりつつある
1年次より中医学の勉強会に通い、3年次は経絡治療も学ぶ。
長野式また撃鍼(打鍼)法
積聚(しゃくじゅ)治療の研究も進めている

平成二十二年三月鍼灸師合格 四月 鍼灸師登録
やいと屋として奮闘中

ナード・アロマテラピー協会認定
アロマ・アドバイザー

キネシオテーピングトレーナー

覚王山鍼灸研究所 研究員

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